ゆく年くる年2018

今年もこの時期になりました。今年は齊藤さん関連のニュースで慌ただしく始まって、最後の最後に巨星墜つ。今投稿中の論文、伊藤先生に読んでもらいたかったなぁ…。

今年は研究室内でも様々な人の動きがありました。

  • 初めて学外からの大学院生受入れ (4月・砂川さん)
  • 片倉さん渡英&博士課程進学 (7月・U Hertfordshire, England)
  • 倉重さん栄転 (11月・東海大テニュアトラック講師)

砂川さんは推薦で入学を許可された優秀な学生で、本学の学生とは違うカラーを持っており、研究室の多様性を広げてくれています。誰よりも行動し、研究室に縛られず学外の勉強会やインターンに積極的に参加して、研究室に新しい風を吹き込んでいます。ありがとうございます。片倉さんは卒研生としてうちに来てから一貫して海外志向であり、紆余曲折ありながらも今年ついに夢を叶えました。新たな研究ステージを応援します。倉重さんは当初からうちのNEDOプロの実質的な推進者として頑張って下さいました。大脳皮質のモデルはヒト運動データ取得からGANsの構築まで、多才な彼のおかげで着実に完成に向かっています。アカデミックポジションが少ない昨今、見事な快挙であり、新たな船出を祝福します。

学生受入れに関して言うと、来年度は学外から2名、大学院生が来ます。うち1人は博士課程からの入学です。来年度メンバーは学生8名+大人組となる予定で、研究室の規模が少しずつ大きくなってきて、しかも学生のレベルは上がり続けているので(GPA平均3です。自慢です)、ありがたい限りです。

また、今年は初めて講義を担当しました。前期は「大学院技術英語(他3名の先生と折半)」、後期は「数値計算」と「シミュレーション理工学特論(龍野先生と半分ずつ)」を担当しています。実験科目では「情報数理工学実験第二」を担当しています。特に「数値計算」は2年生の科目と言うこともあり、毎回きっちり2日かけて準備をして臨んでいます。毎回授業終わりにアンケートを取って全部のコメントに回答したり、授業中に質問を匿名で受け付けてライブで回答するための仕組みを導入したりと、学生の声をリアルタイムに拾い上げる様々な試みをおこない、おおむね好評です。講義を独りよがりにしないためには受講生の声を聞くのが一番いいのですが、大きな教室で学生が90人もいると、さすがにそんな雰囲気にはなりません。でも昔と違って今は色んなツールがあるから、テクノロジーを駆使して、より良く、双方向的で、学生がattentiveな講義にしていきたいと思います。

研究に関しては、今年からAMEDのプロジェクトに参加することになりました。これは博士課程の市村さんが中心になって動いて取ってきた外部資金であり、彼の業績の一部とすべきものです。NEDOプロもポスト「京」もヘテロも科研もそれぞれ着々と進行中です。特にポスト「京」は山浦さんが頑張って「京」全ノードを使ってヒトスケール小脳のシミュレーションに成功し、論文にまとめています。NEDOプロとポスト「京」は来年度が最後なので、最後まで粘って良い成果を上げるとともに、次に繋がるような展開を考えていきたいと思います。

私個人の研究は、今はとにかく投稿中の論文をなんとかするのが最優先です。Marrが最初に小脳のモデルを提唱してから来年でちょうど50年。これまでの小脳研究の枠組みそのものを見直す時期に来ていると思うので。研究以外の活動では、理研の五十嵐さんと一緒にやらせてもらってきた高性能神経計算の1つのマイルストーンとして、我々は教科書の執筆を始めました。冬休み中にはなんとか初稿を上げたいと思います。

来年の目標:

  1. 市村さんを無事卒業させる (来年D3になるので)
  2. 授業をブラッシュアップする
  3. NEDOプロとポスト「京」を無事終了させる
  4. 次の国プロを始める
  5. 論文をたくさん通す
  6. 本を出版する
  7. 来年こそ1PF欲しい

来年も盛りだくさんでお送りします。どう考えても盛りだくさんにならざるを得ない。

2018年12月30日
山﨑 匡

倉重さん栄転

特任研究員の倉重さんが11月から東海大学のテニュアトラック講師に栄転しました!おめでとうございます!倉重さんは引き続き客員研究員として、NEDOプロジェクトを続けます。

海外留学

2016年度に修士課程を修了した片倉央揮さんが、10月からイギリスのUniversity of Hertfordshireの博士課程に進学しました。

2018年度第1回オープンキャンパス

7/16 (日) に開催されました。研究室公開を行い、85名+αの大勢の方が見学に来られました。どうもありがとうございました。

新メンバー

吉村さん (M1) が大学院に進学し、砂川さん (M1) と 古荘(克)さん (B4) が新しくjoinしました!ようこそ!

卒業式

露木さん(M2)と吉村さん(B4)が卒業しました。おめでとうございます!

ゆく年くる年2017

今年もこの季節になりました。去年の今日はネコ小脳論文の査読と戦っていましたが、今年は来年早々の実験の準備。そして年末には大きなニュースがありました。

今年のハイライト:

  • 山浦さんがjoinした。
  • 市村さんが博士課程に進学した
  • 論文2本(ネコ小脳と市村の歩行)と人工知能学辞典(1項目)が出版された。
  • NEDOプロは首の皮一枚でステージゲートを通過した。
  • ポスト「京」も中間評価を通過した。
  • 科研費新学術「脳情報動態」と次世代領域研究開発「高性能汎用計算機高度利用事業」が始まった。
  • 情報工学工房に参戦した。
  • P社があんなことになるなんて。

ポスト「京」に新しく山浦さんが加わって、さらに研究室が強くなりました。2週に1回の割合でポスト「京」合同セミナーを理研の五十嵐さんとやっていて、研究はそれなりにうまく進んでいると思います。五十嵐さんが非常にスケーラブルな神経回路シミュレータを作成しているので、我々もそれに乗っかっています。来年は論文を書きます。

市村さんは博士課程に進学し、彼の卒研(!)だった小脳歩行モデルの論文がようやく出版されました。当初の計画よりだいぶ遅くなりましたが、ちゃんと成果にできて良かったです。来年は次の論文を。

大きいプロジェクトが継続になったのは大変うれしく、特にNEDOプロはステージゲートを経ることで研究の方向性がより明確になったので、今後もより加速させていきたいと思います。また新プロジェクトが2つ追加されて、研究資金的にかなり潤沢になっており、色んなことが可能になりました。例えば学生に給料を払うとか。大学にありがちな学生を搾取する構造をなんとかして改めたいです。

授業に関しては、新しい学域の演習を担当すると共に、新たに情報工学工房に参戦しました。ARMの64ビットアセンブラをやっています。ポスト「京」ではシミュレーションコードをアセンブラで書こうと思っていて、その勉強がてら始めた私の私による私のための工房ですが、参戦してくれる学生がいて、東大からも参加者がいて、有意義にやっています。ただまあ、ARMはソフトバンクに買われたので、世間ではRISC-Vが盛り上がっているようですが。MI/CS実験第二では新たに深層学習の課題を始めます。

P社に関しては特に何か言うつもりはなく、「暁光」でヒト小脳をやる計画に水を差されてしまったのが残念なのと、みんな人の名前くらいは正しく綴ろうな、くらいのものですが、今回感じたのは、自分達が研究で使う道具、それも研究戦略上重要な道具は、自分達で作らなければいけない、ということでした。そうでないと外圧で簡単に研究を中断させられてしまいます。

「高性能神経計算」という研究室の方向性はかなり見えてきました。ニューロモルフィックチップをやっているデバイスやHPCの研究室はたくさんありますが、神経科学の専門誌に研究論文を書いている研究室は一つもありません。その逆の、神経科学をやっていてデバイスやHPCの専門誌に研究論文を書いている研究室も我々以外ありません。我々は自分達の小脳研究をより強力に推進するために、来年は自分達でチップを作りたいと思います。仕様は既に頭の中にあります。

来年も盛りだくさんでお送りします。

山﨑 匡

脳科学ライフサポート研究センター スプリングスクール

BLSCが毎年高校生向けに開催している体験授業ですが、今年度は私が担当します。「スパコンで脳を再現する」というタイトルで、実際にコードを書きます。
http://www.uec.ac.jp/exchange/extension/#p10

3/28の13:00-17:45と3/29の13:00-17:45の2回開催。両日とも同じ内容です。先着各5名。

せっかくなので「京」とか「菖蒲」とか「暁光」とかを使えるように交渉する予定です。

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