(2014年4月11日 初出)

将来研究者になりたい皆さん、学部の勉強に飽きたらず更に研鑽を積みたい皆さん、就職の猶予を2年伸ばしたい皆さん、友達が進学するから自分も進学する皆さん。先生によっては後ろの2グループに眉をひそめるかも知れませんが、私は全員歓迎します。大学院へようこそ。

自分は進学はしない。卒業したらすぐ社会に出る、というのであれば、そしてその決定に確信があるなら、それは素晴らしいことだから是非そうなさい。自分の心の声には耳を傾けるべきです。でも、自分自身の問題や社会情勢などの要因によってまだ確信できないのであれば、慌てて選択する必要はありません。計算機科学では言うんですよ、それは「早すぎる最適化」であると。動機はどうであれ、決定を遅らせることで将来の選択肢が広がるなら、是非進学なさいと私は勧めます。

さて、何も考えなければ大学院進学というのは、現在所属する研究室、つまり自分の大学の大学院に進学することです。よく知った場所でよく知った仲間と過ごす時間を延長できるのは、楽しくもあり安心できることでもあります。

一方でそれは、将来の選択肢を広げるのを妨げる行為でもあります。同じ環境に居続けても選択肢は余り広がりません。せっかく2年間の猶予期間を得たのだから、積極的に新しい仲間と出会うべきです。つまり他大学の大学院に進学することです。

さて、ここから本題ですが、国内に大学院はたくさんあれど、私は東京の大学の大学院に進学することを強く勧めます。理由は選択肢がより多いからです。

まず、必要な情報やものが豊富にあり即座に手に入ります。PC関連や電子部品なら秋葉原、工作器具や材料なら東急ハンズ、書籍はジュンク堂と紀伊國屋に行けば大体手に入ります。amazonでも買えるかもしれませんが、重要なのは欲しいときにすぐ手に入るということです。なぜならそれが研究の効率に直結するからです。研究会、セミナー、講演会、たくさんあります。アクセスも容易です。

一方、研究だけでは心を病みます。一仕事終えたら必ず気分転換をしなければいけません。東京にはそのための施設がたくさんあります。美術館、映画館、クラブ、レストラン、カフェ、服飾、雑貨、何でも揃います。効率良く気分転換することは、再び研究の効率に直結します。

さらに、会社の数の多さは、就職先の選択肢の豊富さを示唆します。いわゆる大企業は全部東京本社を持っています。就職説明会が開催されるのは東京で、都内在住なら会場への移動は極めて容易です。夜行バスで出てくる必要はありません。

多分一番のネックは生活費、特に家賃だと思いますが、うちの近所だと1Kで5万〜6.5万くらいなので地方の倍くらいでしょうか。でもバイトも豊富にあるので、バイトして補填する事は可能だと思いますよ。

まとめると、効率良く研究ができて、気分転換も充実して、就職も有利で、理屈抜きに楽しいです。特に若いうちは、膨大な情報量に飲み込まれそうになりながら生活するのはとても刺激的だと思います。是非考えてみて下さい。