勉強と研究の違い

(この文章は、2016年11月24日に開催されたMIコース合同研究室紹介で発表し、2016年山﨑研新聞夕刊に掲載したものを加筆修正したものです。)

三年生の皆さん(注: この文章は卒研配属を迎える三年生に向けて書かれたものですが、まだ三年生ではない人もいずれ卒研を迎えるでしょうから、その際の参考になればいいかなと思います)、これまではずっと勉強を続けてきましたが、これからは研究が始まりますね。有意義な一年あるいは三年あるいは六年(人によってはそれ以上?)になるよう願っております。

ところで、勉強と研究って何が違うのでしょう?これははっきり違うものですが、三年生にはまだわからないことだと思うので、説明します。

勉強っていうのは、言ってみれば、自分の中に一方的に知識を詰め込む行為ですよね。授業で教員から(ほぼ)一方的に伝えられる知識を吸収し、自分なりに咀嚼し、自らのものとする行為です。一方、研究っていうのは、そこに自分なりの新しいアイデアを加えて外に出すことです。ここで、外に出すというのは、成果を出すということで、具体的には学術論文を書いたり、海外で発表することです。

つまり、研究というのは、勉強をすることが前提で、勉強したその先にあるものなのです。

ここをわかってないと色々不幸が起こるというか、「こんなに一生懸命勉強しているのに、先生はちっともわかってくれない」という間違った認識を持つことになります。学生が一生懸命勉強していたら、教員は普通気がつきます。ただ、教員はその先を求めているのです。

この点をどうか忘れず、楽しい研究生活を送って下さい。

ちなみに山﨑研はその極端な例で、成果を出すことを常に要求していますが、その一方、きちんと成果の出せる環境を用意しています。

[2016年12月13日 ウェブに掲載]