NC研

6/14にOISTで開催されたNC研のサテライトシンポジウムで、山﨑が招待講演をしました。

Tadashi Yamazaki.
Reevaluating a theory of cerebellar cortex.

新メンバー

吉村さん (M1) が大学院に進学し、砂川さん (M1) と 古荘(克)さん (B4) が新しくjoinしました!ようこそ!

卒業式

露木さん(M2)と吉村さん(B4)が卒業しました。おめでとうございます!

異分野融合ワークショップ

3月6日に奈良先端大で開催されたワークショップで山﨑が講演しました。

高性能神経計算: 計算神経科学と高性能計算の融合によるヒトスケール脳神経回路シミュレーション

件のnoteに対するコメントその2

[2018 2/28 22:05 「PEZY批判」→「PEZYの技術に対する批判」(@kumagi様のご指摘による)]

TL; DR

PEZY の実用アプリケーションは2009年の研究より小規模で粗く更に遅い
rings
2018/02/11 19:33
https://note.mu/rings/n/n29283c5afed5

にて、現在私のコメントに対する反論が行われているらしいですが、私があげた3点+おまけに対する明確な反論はなく、不正確な文章をさらにひたすら積み重ねるのに終始しているので、私はもう関わらないことにします。

(これまでのあらすじはこちら)

以下は追加のコメント。

  1. サイエンスというのは具体的な成果にもとづくものです。「やってないけどやればできる」というのはSFであり妄想です。もし私の小脳モデルよりも優れたものができると主張するのであれば、実際にやってみせ、かつしかるべき研究誌に発表してからにしていただきたい。
  2. 私は伝統的な小脳の理論研究の文脈を受け継ぐ小脳の研究者であり、小脳以外の部位についてはほとんど興味がありません。小脳以外の脳部位でこういうモデルがあると言われても、直接私の研究に影響が無い限りは、ふーんそれで?という印象しか持ちません。お寿司屋さんに行ってカレーを食わせろと言っても相手にされないのと一緒。
  3. 小脳研究の、あるいは神経科学の文脈で私の論文を批判するのは可能です。あの論文にはいくつか私が満足できていない部分があり、それらに対する批判は受け入れます。しかし、かの人は「PEZY憎し」という文脈からアクロバティックに研究批判をしようとしており、当然それには無理があるので、表現を曖昧にし誤読とミスリーディングと嘘によってもっともらしく取り繕うのに腐心しています。結果として不正確で説得力を持たない文章となっています。
  4. ではかの人にきちんと適切な文脈にもとづいて批判ができるか?というとそれは無理なのでしょう。論文ごとに用いている微分方程式の違いや、その数値計算法の違いについてすら何一つ考察しておらず、単に数字の大小だけで物事を説明しようとしていますから。
  5. PEZYの技術に対する批判は死屍累々の山なのだから、素人は手を出さない方がいい。

履歴

[2018 2/28 22:05] 「PEZY批判」→「PEZYの技術に対する批判」(@kumagi様のご指摘による)
[2018 2/28 21:40] 初出

件のnoteに対するコメント

[2018 3/2 14:53 コメントその2へのリンクを追加]

TL; DR

PEZY の実用アプリケーションは2009年の研究より小規模で粗く更に遅い
rings
2018/02/11 19:33
https://note.mu/rings/n/n29283c5afed5

というnoteは、内容が不正確なので信用しない方がいい。論点は下記の3つ+おまけ。

(コメントその2を書きました)

1. 誤解あるいは恣意的なミスリーディング

件のnoteより:

2016年度理研シンポジウム『スーパーコンピュータHOKUSAIとShoubu、研究開発の最前線』での招待講演で紹介されている,PEZY Computing のスパコンの実用アプリケーションでも代表的なものです.そこでの講演『Shoubuで実現するネコ一匹分の人工小脳』(講演資料, PDF)では,「もちろん世界最大,最高速,最も精緻」(資料14ページ目)と書いています.

リンク先のスライドは私が作成したものですが、この講演のタイトルにもあるとおり内容はもちろん小脳のことですし、当該スライドのタイトルも「Shoubu上の人工小脳」なので、小脳回路のモデルとして「世界最大,最高速,最も精緻」です。文脈を無視して一部の文章だけ切り出してなんか言うのやめてもらえませんかね。

それから、件のnoteは全体として、私がスパコンのベンチマークのために小脳のシミュレーションをやっているかのように書かれてますが、私の興味は10年以上一貫して小脳の神経科学であり(文献リストを見れば一目瞭然、なんなら科研費の申請区分は常に「神経科学一般」だし)、大規模な小脳モデルを使って小脳の情報処理原理を解明しようとしているのが私のサイエンスなので、勝手に私の研究方針を変えないでいただきたい。

2. 嘘

件のnoteより:

猫の脳のシミュレーションでは,より規模が大きく,もっと速く,もっと精緻なシミュレーションがこの研究以前に行われています.

行われていない。後ろを読んでくと、

(5) シナプス数,時間ステップを揃えたとき,過去の研究の方が20-40倍速い.

とあり、やればできるかもね、というだけ。「やってないけどやればできるかも」はサイエンスではなくSFなので、やってから言って欲しい。

3. 誤解あるいは恣意的なミスリーディング

件のnoteより:

上の比較に対して「問題の大きさではなく,実時間でシミュレーションすることが重要なのであって,[Y+17] は最速だ」とする考えもあり得ます.しかしその場合,[L+15] では猫の小脳モデルを1秒シミュレーションするのに 25.6ms しかかかりません.さらに講演者は [L+15] の共著者なので(論文の公表は2015年,講演は2016年),講演したときにその内容を十分理解しています.

[L+15]は小脳の顆粒層しか実装していない。

4. おまけ

件のnoteでは、最後にご丁寧にも

一般向けの情報に誤解を招く表現を含めることへの疑問

とあるんですが、これは何かの冗談ですかね。

山﨑 匡

参考文献

[A+09] R. Ananthanarayanan et al. (2009) The Cat is Out of the Bag: Cortical Simulations with 10^9 Neurons, 10^{13} Synapses. In Supercomputing 09: Proceedings of the ACM/IEEE SC2009 Conference on High Performance Networking and Computing (Portland, OR). https://doi.org/10.1145/1654059.1654124
[K+14] S. Kunkel et al. (2014) Spiking network simulation code for petascale computers. Frontiers in Neuroinformatics 8: 78. https://doi.org/10.3389/fninf.2014.00078
[L+15] J. Luo et al. (2015) Real-Time Simulation of Passage-of-Time Encoding in Cerebellum Using a Scalable FPGA-Based System. IEEE Transactions on Biomedical Circuits and Systems 10(3), pp. 742-753. October 2015.13 http://dx.doi.org/10.1109/TBCAS.2015.2460232
[Y+17] T. Yamazaki et al. (2017) Real-time simulation of a cat-scale artificial cerebellum on PEZY-SC processors. The International Journal of High Performance Computing Applications. First Published June 6, 2017. http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1094342017710705

履歴

[2018 3/2 14:53] コメントその2へのリンクを追加
[2018 2/26 16:45] 「3点+おまけ」の文がわかりにくいので修正
[2018 2/26 16:10] 参考文献を追加
[2018 2/26 11:54] 初出

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